強欲な人間が滅びる理由

人が持つあらゆる『欲望』自体は、生きる活力にもなる良い感情であると思っている。

しかし、その欲望が強すぎると『強欲』になり、結果的には自分の身を滅ぼすということが多い。

自分自身が『強欲』のままに、畳の上で生涯を送るというのは、ほぼ不可能に近いとさえ考えているが、いかがであろう?

ここでは『強欲』の人間の裏側を掘り下げていくとともに、彼ら・彼女らが無残な状態になっていくショートストーリーを紹介していこう。

 

強欲な男の成れの果て

彼は子供が三人いて、妻もいる男。

仕事が好きで、会社からの評価も上々であったのだが、実は隠された裏の顔があった。

彼は会社から車で1時間以上の地方都市に所帯を構えていたのだが、それとは別に職場で知り合った女性と恋仲になり、女性との住まいを会社の近くに設けていたのだ。

この関係は2年間続いたわけなのだが、ひょんなことからバレてしまう。

彼は社用車を愛人との住まいの近くの道路に駐車していたのだが、そこは駐車禁止の道路。

数時間、愛人とのひと時を楽しむ為に油断していたのか、注意力が欠如していたのかは知らないが、社用車のナンバーから会社に通報されてしまう。

そこから不倫が発覚して、泥沼状態に陥る。

妻が会社や愛人に怒鳴りこみにいったり、彼の子供たちも巻き込まれて、さながら数か月間は修羅場の様な状態であった。

彼はしかし会社に謝るどころか、自分を駐車違反を取り締まる警察から守ってくれなかったとして、腹いせに会社を辞めてしまう。

後先も考えずに辞めてしまったために、当然、程なく生活費が底をついてしまうことになるのだ。

あろうことか、彼は愛人に自分の生活費を無心するという行為に出たのだ。

愛人は渋々、彼に貸すが、さすがに小言の一つも言いたくなるわけだ。

彼はそんな愛人の小言を金を借りる手前、聞きはしたが、自分の不倫などを話せる者に愚痴を言う始末であった。

結果的に彼は程なく愛人とも別れて、妻にも先立たれてしまう。

子供にも愛想をつかされて、典型的な転落人生を送る羽目になり、最終地点は生活保護を受ける有様となったのだ。

 

強欲な男の致命的なミスとは?

強欲な人間は些細なことでも自分の思うようにいかないと、近しい周囲の者に当たり散らしたり、不平をつぶやくことになる。

元々は自分が悪いのに・・・。

結果的にその場は自分自身は言いたいことが言えて、スッキリしたのかもしれないが、聞かされている他者はたまったものではない。

本来ならば自分の話を聞いてくれる友達だったり、助けてくれるはずであった人間たちの信頼を失墜させて、悪い方向にいる天涯孤独となってしまったのだった。

これは諺にもある『口は災いの元』ということに合致する。

しかし、例え身近な人間に不平や理不尽な怒りを伝えなかったにせよ、巧妙に隠していた不倫という事実が明るみになった瞬間、もしかしたら彼が後に生活保護をもらって不自由な老後をおくるという未来の姿は決まっていたのかも知れない・・・。

 

強欲な女が取り返しのつかないことに・・・

醜い女がかつてあるところにいた。

醜く暗い性格だった彼女は学生時代はイジメの対象になり、登校拒否を起こすようになり世捨て人となった。

家にいても親からの小言を聞かされる彼女の行くところは家以外に他にはどこも無かった。

家の中でも居心地の悪さを感じた彼女は、自宅近くの川にいき入水しようとしていた。

そんな彼女を止めたのは、ある整形外科医の男性であった。

醜い女のコが泣きながら、これまでの辛さなどを男性に打ち明ける。

男性は彼女を不憫に思い、何と無償で顔の整形を行うことにしたのだった。

 

成形後の彼女の姿は、もはや醜い女ではなく、むしろ男性が放っておかないくらいに可愛らしい女性に変貌を遂げたのだ。

それまでは嫌われることしか感じていなかった彼女だが、男性を中心に彼女には好意が寄せられることが多くなった。

少し前までは命を捨てようとさえ思っていた彼女は、一気に人生を謳歌しはじめる。

 

そして彼女は恋人が出来て、ゴールインして幸せな家庭を築きましたとさ・・・めでたし・・・めでたし・・・。

 

とは、いかなかった。

 

何にせよとにかく男性にモテるようになった彼女は、都合のいいように男性を弄び始めた。

自分自身が醜かった時に、男性たちを中心にイジメられたことを根に持っていたのだろう。

要するにその対象はイジメを行った張本人たちではなく、男性全員に向けられていたのだった。

彼女にとって、素敵な恋人を作ったりすることが目的ではなく、自分自身を傷つけた男という人種そのものへの狡猾な攻撃が目的となっていった。

 

美しい彼女の言うことを素直に聞く男性たちであった。

しかし、結果的には貢がされるだけ貢がされて、捨てられる多くの男たち。

そんな男たちの中で一人、ついに彼女に対して自分をコケにしたとして復讐を実行する者が現れた。

 

彼女の帰り道を待ち伏せして、男がとった行動というのは、卑劣極まりなかった。

 

男は卑劣な行為に及んで、警察に逮捕された。

 

当の彼女の命には別状はなかったが、その顔はかつて自分が醜かった時よりも、まるで怪物の様に溶けた顔になってしまったのだった。

かつては醜さを気にするがあまりに暗くなっていった為にイジメられた彼女。

そこから大逆転をしたかのように絶世の美女となって生まれ変わった彼女。

しかし、そこから反転して、最初の彼女よりも醜い状態となってしまったのは、痛恨の極みであったろう。

彼女はかつて入水しようとした川に入り、戻ってはこなかったのだ。

 

美しくも強欲となった女の致命的ミスとは?

一度は命を自らの手で捨てようとするくらいの絶望を抱きながら、一気にそれまでの自分とは違う人生を送れるようになった彼女。

ならば、今度は自分が異性を選べる立場にいるのだが、彼女はそんな自分の立場に酔いしれて、徐々に女王様の感覚となっていったのだ。

そして、そこから過去の自分・・・そして過去の自分の周りにいた者たちを、現在、目の前にいる者に不必要に投影して、間接的な復讐を行ったことが致命的だった。

むしろ、求愛をしてくれる男性たちの中で、本当に自分を大事にしてくれる男と結ばれて、心身ともに癒してもらえば、本当の幸せがあったはずだ。

だが、彼女がそうしなかったというのは、彼女自身、本来は強欲の花のつぼみを心の中に植えていたのかも知れない。

強欲の花が咲いてしまったら最後、そこには感謝や忍耐、共感という幸せになるための心の在り方は完全に欠如していたに違いない。

結局のところ、人間の本能通りのアプローチを行って、滅んでいったということだった。

 

おわりに

強欲に駆られた挙句、悲惨な末路を辿ってしまった男女の話をつづってみた。

自分自身が快楽や幸福を掴む。

掴むまでは欲望がそれをさせるのだが、それによって幸せになると、更に欲望は肥大化して強欲という身を滅ぼす感情を自ら作り出してしまう。

本人は強欲とは思っていないのだろうが、他人の立場になって考えれば容易に分かること。

しかし、一度、強欲に駆られた者は、自分自身が受け容れられないくらいのダメージを負わないことには、自分自身を見つめなおすことも出来ない。

それはつまり変われないということであり、結果的には強欲な状態を保ち続けてしまうようになる。

相手も同じ人間であるから、強欲に駆られてそれをぶつけられたら、いつかは暴発するのは目に見えている。

しかし、強欲になってしまった人間というのは、相手のことを思いやるという心を忘却して、我田引水的な生き方をしてしまうようになるのだ。

全ての人間が強欲であるとは思わないが、短絡的な幸せを得ると、それは長期的に自分自身が強欲となり下がる要因にもなったりすると思うのだが・・・。

>人間の本質と姿は『欲望』によって形作られ、それが未来の運命を決めて、そこが領域となる。

人間の本質と姿は『欲望』によって形作られ、それが未来の運命を決めて、そこが領域となる。

The figure is formed with human essence by "greed", and it decides future fate, and there becomes the domain...